
師走の金沢くいだおれ旅と、ほぼ同じコースをたどる如月の金沢くいだおれ旅に行ってきた。もともとは如月が本命で、昨年の秋ごろだったか「来年の冬あたり金沢みんなで行かない?」とゆるく募った際、クリームパン(というニックネームの金沢単身赴任中の友達)が「12月にくれば香箱蟹あるよ」と巻きで提案したのを聞いて、急行チームが師走の陣を張ったのだった。
そのようすは上のリンク先にくわしく書きとめてあり、如月の陣が本陣なのだが師走の陣とやってることはあまり変わらない(香箱蟹のシーズンが過ぎていることくらい)。そこで今回は、フリータイムにひとりで寄り道した場所のみブログに書きつけておこう。だから表題のわりに飲み食いの場面がない。書いてない時間と場所で食べたり飲んだりしてるわけ。

というわけで徳田秋聲記念館にきてみたら、工事で12月29日から3月中旬ごろまで長期にわたって休館だった。そういうことは金沢にかぎらず時々あるから仕方ない。月曜などは休館でないか事前に確かめるけど、長期の休館はなかなかチェックしない。リフトやロープウェイなどのメンテナンスもシーズンオフは要注意、だが忘れる。

徳田秋聲は金沢の三文豪として泉鏡花、室生犀星と並び称される作家。それぞれ文学史の上で独特な位置を占め、流派や主義に染まらず個性の輝きが時と共に眩しくなっていく……ように思える、そんな人たちだ。

泉鏡花記念館には先日たまたま入ったから、今回は徳田秋聲と室生犀星の記念館へついでに……と思ったが秋聲記念館については休館ではしかたない。それにしても金沢、如月ともなると雪深い。あと外国人やっぱり多い。

もとは銀行だったらしい、金沢文芸館に寄り道する。入館料100円というのがなんとも……しかしまぁ妥当な金額だった。

1階は銀行の窓口カウンターを生かしたつくり。ということは上の階は事務室だったところか。入場料を払うと、2階の五木寛之フロアだけは撮影禁止だというが、なぜ五木寛之?

3階に行ったら理由がわかった。金沢市主催の、泉鏡花文学賞の受賞者と作品が展示されており、歴代審査員も掲示されていた。五木寛之ただ1人だけ、昭和48年(1973)から現在まで50年以上ずっと審査員であり続けていることが判明。それでか。

金沢文芸館をあとにして、繁華なほうへ抜けようと金沢城のへりを歩いていく。除雪してなかったら足が埋もれて進めないや。さすが日本海側だ。

屋根雪 落雪注意なんて立て看板が出てるのは、金沢城のすみにある尾﨑神社。もちもとは東照宮として、加賀藩の4代目が幕府の許可を得て城内に創建したのだが、明治7年に尾﨑神社と改称したのは明治政府に気を遣ったのか。

しかも明治11年には場内に駐屯する大日本帝国陸軍の都合で社殿をここ、金沢城のへり(隅っこ)に移されて今日にいたる。しかし、社殿がなにやら板で囲まれてるのは一体なに?

近くに寄って掲示を読むと、雪害をふせぐために板で守ってるということだった。なるほど。

あの板は雪害をふせぐために張られてる、ということは夏はないのかな? 東照宮だっただけに葵の紋がついてる。加賀藩の前田家、幕府に睨まれないように必死だったんだろうな。

さらに歩いていくと、どこか洋風な門のある尾山神社にさしかかった。和洋折衷というのだろうか。どことなく中華っぽくもあるので、いうなれば和洋中折衷?

門はハイカラだったけど、その向こうの社殿はわりと普通。こちらは尾﨑神社が改称や移転を余儀なくされた明治の初め創建で、幕府に気を遣わなくてよくなったせいか、前田家の別邸だった土地に初代の利家と正室まつを祀った。

だから利家の像がある。槍を持ってるのはいいとして、大黒さんみたいな袋をかついでるのは一体なんだ? あれは母衣(ほろ)といって骨組つきの流れ矢よけで、戦場では目印を兼ねたが目立つので危険をともなった。織田家の軍には佐々成政の黒母衣衆10騎と、前田利家の赤母衣衆9騎の計19騎いたとなん。

それから、にし茶屋街に近い室生犀星記念館まで歩いていって入館した。生家の跡地に建てられた記念館だが、生まれたときに母はすでになく名前も不明で、まもなく父も他界したため近くの雨宝院という寺に出された。

それがこの寺で、犀川の川辺に立っている。室生犀星の犀の字は犀川の犀で、ちかくに犀東という文人がいたので犀西あらため犀星とペンネームを若いころ勝手にいただいた。いまや犀星の文名がむしろ高い。

記念館には初版本の表紙が下から上へ時系列で並べてあった。明治生まれで大正から昭和にかけて長く活躍した多作な作家で、73歳まで生きたから大きく3期に活動が分かれる(あいだに休んでるような期間がある)のを、視覚化してある。

神明宮という神社も近くにあり、犀星も子供の頃よく遊びにきた。中原中也が子供のころ軽業興行(サーカス)を見たのも神明宮の中で大欅の下だというのだが、ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよんと空中ブランコ揺らす天幕が張れる広さだとは、ちょっと思えない。あられが降ってきた。

ゆあーん
ゆよーん
ゆやゆよん





















































































































































